画像生成や動画生成、音声変換などAIツールを利用してみたい方に向けての自作PC構成を紹介します。実際のベンチマーク結果などもあるので参考にしてください。
選択基準
前提として今回紹介する構成は、機械学習・深層学習では入門用として個人的に最低限必要だと感じたスペックのものになります。
自分で実際使用した感じを踏まえ、2024年4月現在の価格.comを参考にミドルクラスでコスパの良い製品を選びました。紹介している製品の価格や在庫状況に変化があることをご理解ください。
構成
CPU
プロジェクトのビルドやファイルの解凍などに多少の性能は欲しいです。今回はミドルクラスでコスパの良いCPUから選びます。
Intel (LGA1700) | AMD (Socket AM5) | AMD (Socket AM4) | |
---|---|---|---|
CPU | i5 12400F (¥21000) | Ryzen5 7600 (¥33000) | Ryzen5 5600 (¥17000) |
マザーボード | ¥9000~ | ¥13000~ | ¥7000~ |
メモリ | DDR4 / DDR5 | DDR5 | DDR4 |
AMD (Socket AM5) は、まだ新しくCPUとマザーボードもほかと比べて高いです。また、メモリも新しい規格のDDR5のためDDR4よりも高くなります。おすすめはi5 12400FとRyzen5 5600になります。今回は価格とコスパ重視でAMD (Socket AM4) の2022年4月発売Ryzen5 5600を紹介します。
もう少し予算をかけるならRyzen7 5700Xがおすすめです。
純正のCPUクーラーは、ミドルクラス程なら冷やせますが意外とうるさいです。予算があるなら変更するとよいでしょう。
Thermalright Assassin X 120R SE V2 安いサイドフロー型空冷クーラー
マザーボード
AMD (Socket AM4) マザーボードは、現在チップセットがX570, B550, A520の製品が販売されています。まずオーバークロックをしたい方・PCIe 4.0を使いたい方は、対応しているX570,B550を選んでください。
今回はメモリスロットが4つとm.2スロットのヒートシンクがついているものを条件に多少端子が豊富でコスパのいい製品を選択しました。
ASRock A520M Pro4
ASRock B550M Pro4
メモリ
AMD (Socket AM4)マザーボードのメモリ規格に対応しているDDR4を選びます。機械学習・深層学習では比較的大きいデータのやり取りを行うこともあるため16GBx2の合計32GBがよいかと思います。
CFD W4U3200CS-16G [DDR4 PC4-25600 16GB 2枚組] 価格重視
Crucial CP2K16G4DFRA32A [DDR4 PC4-25600 16GB 2枚組] Crucialでヒートシンク付きのモデル
グラフィックボード
機械学習・深層学習ではNVIDIAのCUDAが広く使われているためNVIDIAのGPUを搭載したグラフィックボードを選びましょう。また、VRAM容量も大きいほどよく12GBは欲しいところです。
低価格帯ではRTX3060 12GBがもっともおすすめで次のグレードだとRTX4070 12GBがおすすめです。RTX3060は8GB版もあるので気を付けてください。グラフィックボードは、各種メーカーから出てますのでデザインや金額で決めるとよいです。特にこだわりがなければ玄人志向GALAKURO GAMINGが3年保証なのでおすすめです。
NVIDIA GeForce RTX3060 12GB
NVIDIA GeForce RTX4070 12GB
ストレージ
機械学習・深層学習で扱うモデルなどは、ファイル容量の大きいものが多いため1TB確保しておくのがよいでしょう。また、転送速度も速いNVMe対応のM.2 SSDをおすすめします。
キオクシア EXCERIA G2 SSD-CK1.0N3G2/J [ブラック] 価格重視 PCIe Gen 3.0
WD_Black SN770 NVMe WDS100T3X0E 速度重視 PCIe Gen 4.0対応
電源ユニット
必要な電源容量は、システム要件によって変わってきますがRTX3060で550W, RTX4070で650W程度あるとよいでしょう。
MSI MAG A650BNL 価格重視 650W BRONZE認証
玄人志向 KRPW-GK750W/90+ フルプラグイン セミファンレス 750W GOLD認証
PCケース
マザーボードの規格、グラフィックボードのサイズやCPUクーラーの高さに気を付けてください。
Thermaltake Versa H17 価格重視 MicroATX
Thermaltake S100 TG サイド強化ガラス MicroATX
OS
個人ユーザーならHomeで問題ないと思います。今後、別なPCでも流用できるパッケージ版がおすすめです。
Amazonで購入する際は、怪しいライセンスを販売しているところもあるみたいなので販売業者を確認してください。
Windows11 Home
Windows11 Pro
パフォーマンス
今回紹介した構成とほぼ同じスペックのPCでベンチマークを計測しました。
CPU | Ryzen5 5600 |
マザーボード | BIOSTAR X370GT |
メモリ | Crucial DDR4-2666 16GBx2 |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce RTX3060 12GB |
CPU性能
CINEBENCH R23
サイドフローの空冷クーラーですが発熱も60°以内で収まっていました。
グラフィック性能
FF15 ベンチマーク
今回の構成は、ゲーミングPCと若干選定基準が違うだけでFHD設定ならある程度できます。
画像生成について
以下の記事でVRAM使用量や生成速度をまとめているのでご覧ください。