Windowsに標準で備わっているバックアップ関連の機能に、システムの保護・ファイル履歴・システムイメージがあります。これらの機能の比較と使い方を紹介します。
機能比較
システムの保護・ファイル履歴・システムイメージを使用した場合のプログラムやファイルへの影響をおおまかにまとめました。
機能 | プログラム | ファイル |
---|---|---|
システムの保護 | 作成時の状態に戻す | 影響しない |
ファイル履歴 | 影響しない | バージョンを細かくバックアップ |
システムイメージ | ディスク全体を作成時の状態に戻す |
システムの保護
システムのスナップショット(復元ポイント)を作成しておき、Windowsに不具合が起きた時にシステムを復元ポイントの時点に戻すことができます。
システムの復元で影響を受けるのは、アプリやドライバー・Windows Updateの更新プログラムなどです。ユーザーのデータファイルなどはそのままになります。
システムの保護を有効にする
Windows+Rを押してファイル名を指定して実行を開く
名前に「sysdm.cpl」と入力してOKをクリック
システムのプロパティが開くのでシステムの保護をクリック
保護設定でシステムドライブを選択して構成をクリック
システムの保護を有効にするにチェックを入れる
ディスク領域の使用量を設定してOKをクリック
復元ポイントを手動で作成
復元ポイントはシステムに変更が加わる前や一定の間隔などで自動的に作成されます。
手動で作成したい場合は以下の手順になります。
作成をクリック
復元ポイントの名前を決めて作成をクリック
復元ポイントの作成完了になります。
システムの復元
Windowsが起動する場合
システムの復元をクリック
推奨される復元または別の復元ポイントを選択して次へをクリック
他の復元ポイントを表示するにチェックを入れて復元したいポイントを選択してください。
影響を受けるプログラムの検出をクリックすると削除と復元が見込まれるプログラムとドライバーが確認できます。
完了をクリック
はいをクリックしたら復元が開始されます。
Windows回復環境が起動する場合
トラブルシューティングをクリック
詳細オプションをクリック
システムの復元をクリック
これ以降はさきほどの復元手順と同じになります。
ファイル履歴
ファイル履歴 (File History) は、Windowsに搭載されたバックアップ機能の一つです。定期的にファイルのバックアップを取り、過去のバージョンにアクセスできます。これによりデータの損失や削除に備えることができます。
バックアップの対象先
ファイル履歴がバックアップするのは、ユーザーフォルダやライブラリなどになります。バックアップしたいフォルダを右クリックからライブラリに追加しておけばバックアップの対象に含めることができます。
ファイル履歴をオンにする
保存先に外付けのハードドライブなどが必要になります。
検索に「ファイル履歴」と入力して開いてください
コピー先のドライブを選択してオンにするをクリックしてください。
詳細設定ではファイルのコピーを保存する頻度と保存されたバージョンを保持する期間を変更できます。
また、古いバージョンのクリーンアップから保存されているファイルの削除ができます。
ファイルの復元
個人用ファイルの復元をクリック
矢印で保存日時を移動できます。復元したいファイルを選択したら真ん中のボタンで復元できます。
システムイメージ
システムイメージとは、システム・ソフトウェア・ファイルなどを含むディスク全体を保存したものです。トラブル時などにシステムイメージ作成時点の状態に回復することができます。
システムイメージの作成
システムイメージはコントロールパネルのバックアップと復元から作成できます。手動で作成する方法と自動でバックアップする方法があります。
バックアップと復元を起動
Windows+Rを押してファイル名を指定して実行を開く
名前に「sdclt.exe」と入力してOKをクリック
システムイメージを手動で作成する
システムイメージの作成をクリック
保存先を選択して次へをクリック
システムイメージにシステムドライブ以外に含めたいドライブがある場合はチェックを入れてください。
バックアップの開始をクリック
起動ディスクからWindows回復環境が起動しない場合に、システム修復ディスクを使ってWindows回復環境を起動することができます。しかし、インストールメディアや回復ドライブでもWindows回復環境は起動できるのでそちらをおすすめします。詳しくは下にあるシステムイメージの回復方法をご覧ください。
システムイメージの作成は完了になります。
システムイメージを自動でバックアップする
バックアップの設定をクリック
バックアップの保存先を選択して次へをクリック
自分で選択するを選んで次へをクリック
次のドライブのシステムイメージを含めるにチェックを入れてください。システムイメージには、すべてのデータがまるごとバックアップされますが、個別にデータファイルをバックアップすることもできます。ファイル履歴でのバージョンのバックアップが必要ないようなデータなどによさそうです。
スケジュールの変更からバックアップの頻度を変更できます。
設定を保存してバックアップを実行をクリックしたらバックアップが開始されます。
データファイルの復元
さきほどデータファイルにもチェックをいれてバックアップを取っている場合
ファイルの復元をクリック
バックアップしているデータファイルから復元したいファイルやフォルダを選択して次へ
復元場所を選んで復元してください。
バックアップサイズを減らしたい場合
領域を管理しますをクリック
設定の変更をクリック
最新のシステムイメージのみを保持すれば空き領域を確保できます。
システムイメージの回復方法
システムイメージを使った回復はWindows回復環境 (Windows RE) から行います。
起動ディスクからWindows回復環境が起動できない場合は、インストールメディア・回復ドライブ・システム修復ディスクなどからWindows回復環境を起動することができます。
インストールメディア・回復ドライブ・システム修復ディスクの違い
機能 | インストールメディア | 回復ドライブ | システム修復ディスク |
---|---|---|---|
Windows新規インストール | ○ | × | × |
ドライブから回復(Windows再インストール) | × | 〇 | × |
Windows回復環境(基本修復オプション) | ○ | ○ | ○ |
作成できる記録メディア | USB, DVD | USB | CD/DVD |
Windows回復環境の起動
通常はWindowsの起動やシャットダウンで問題が起きた場合にWindows回復環境が自動で起動します。
Windowsが起動する場合
Shiftを押しながら再起動をクリックしてください。
インストールメディアからWindows回復環境を起動
インストールメディアから起動してください。
Windowsセットアップ開始画面にあるコンピューターを修復するをクリックしてください。
回復ドライブからWindows回復環境を起動
作成しておいた回復ドライブから起動してください。
Windows回復環境からシステムイメージを使って回復
起動する環境により表示項目が若干違う場合があります。
トラブルシューティングをクリック
詳細オプションをクリック
その他の修復オプションを表示をクリック
イメージでシステムを回復をクリック
システムイメージが複数ある場合はシステムイメージを選択するから選んでください。
システムイメージとPCのパーティション構成が異なる場合はチェックが有効になります。ディスクの除外では回復処理から除外したいディスクがあれば選択してください。
完了をクリックしたら回復処理が開始されます。