クリーンインストールを行うためのシステム要件の確認、インストールUSBの作成、インストールまでを紹介します。
クリーンインストールとは
クリーンインストールとは、インストール済みのソフトウェアやデータを削除して新規にインストールすることを指します。
Windows11のシステム要件
インストールでよく問題となる点を説明していきます。
CPU
Windows11でサポートされるCPUリストは、Intelは第8世代以降・AMDはRyzen第2世代以降になっています。しかし、クリーンインストールではチェックされないため回避できます。
メモリ
4GB以上が必要になります。
ストレージ
64GB以上が必要になります。
CSM (Compatibility Supported Module)
従来のBIOSとの互換性をサポートする機能です。セキュアブートを有効にする場合はCSMを無効にしないと、起動トラブルやシステムが不安定になる可能性があるので注意してください。
CSM (Compatibility Supported Module) Disable
MSI
表記が違う場合あり
Windows OS Configuration > Windows 10 WHQL Support EnabledでCSM無効
セキュアブート (Secure Boot)
PC起動時にデバイスなどをチェックし、悪意のあるソフトウェアが読み込まれないように設計されたセキュリティ機能です。Windows11では必要なので有効にしてください。
Secure Boot Enable
ASUS
セキュアブートの状態
Secure Boot state | OS Type | Secure Boot Mode | Key Management | セキュアブートの状態 |
---|---|---|---|---|
User | Other OS | Customer | Default | 無効 |
User | Other OS | Standard | N/A | 無効 |
Setup | Other OS | Customer | Clear Secure Boot Keys | 無効 |
Setup | Windows UEFI mode | Customer | Clear Secure Boot Keys | 無効 |
User | Windows UEFI mode | Customer | Default | 有効 |
User | Windows UEFI mode | Standard | N/A | 有効 |
ASRock
セキュアブート有効化の手順
- Secure Boot Mode→Custom
- Install default Secure Boot keys→Yes
- Secure Boot→Enable
BIOSTAR
Secure Boot Enabled
System ModeがSetupの場合は、Key Management > Restore Factory Keysを行いUser Modeにする
TPM 2.0 (Trusted Platform Module)
Windows HelloやBitLockerなどの暗号化機能に使用するモジュールになります。現在はファームウェア化されています。有効にしてください。
ASUS
IntelはAdvanced > PCH-FW Configuration の順に移動し、PTT を [Enabled] (有効)
AMDはAdvanced > AMD fTPM configuration の順に移動し、TPM Device Selection を [Firmware TPM]
ASRock
IntelはAdvanced Mode→Security内の項目
Intel® Platform Trust Technology→Enable(有効)
AMDはAdvanced Menu内の項目
AMD fTPM switch→AMD CPU fTPM に設定
MSI
Intelは「Settings」→「Security」→「Trusted Computing」→「Security Device Support」→「PTT」を有効
AMDは「Settings」→「Security」→「Trusted Computing」→「Security Device Support」→「AMD CPU fTPM」を有効
CSM・セキュアブート・TPMの設定はBIOSでおこないます。マザーボードによって設定項目の表示が違う場合があるのでマザーボードのマニュアルなどを確認してください。
BIOS設定画面の起動方法は、こちらの記事をご覧ください。
インストールメディアの作成
パッケージ版を持っている方はそちらに付属のインストールメディアをそのまま使用しても大丈夫ですが内容が古い場合はアップデートに時間がかかるかもしれません。
Amazonで購入する際は、怪しいライセンスを販売しているところもあるみたいなので販売業者を確認してください。
ここでは、Windowsの公式ツールを使って作成します。
Windows11のインストールメディアを作成するの今すぐダウンロードをクリック
ダウンロードしたアプリケーションを起動します。
マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項に同意するをクリック
次へをクリック
USBフラッシュドライブを選択して次へをクリック
使用するUSBを選択して次へをクリック
少し時間がかかります。準備ができましら完了をクリックで完成です。
クリーンインストールの手順
作成したインストールメディアをUEFIブートします。ブート方法はこちらをご覧ください。
Windowsセットアップが開始されます。
英語キーボードを使用している場合は変更して次へをクリック
今すぐインストールをクリック
このPCに初めてインストールする場合はプロダクトキーを入力して次へをクリック
過去にライセンス認証されている場合はプロダクトキーがありませんをクリック
ダウンロードするエディションを選択して次へをクリック
Microsoftソフトウェアライセンス条項に同意して次へをクリック
カスタム: Windowsのみをインストールするをクリック
過去のパーティションがある場合はすべてのパーティションで削除をクリック
ドライブ0の割り当てられていない領域になったら新規をクリック
パーティションを分割しない場合はそのまま適用をクリック
パーティションを分割したい場合はサイズを割り当てたいMBに変更して適用をクリック
パーティションを分割した場合は割り当てたサイズのプライマリパーティションが作成されます。残りの割り当てられていない領域も新規をクリックしてサイズを適用してください。
今回はパーティションを分割せずに作成
OSをインストールするプライマリパーティションをフォーマットして次へをクリック
Windows11の初期設定画面になりましたらインストール完了です。
Windows11の初期設定
初期設定は画面の指示に従って進めていけば大丈夫です。ここでは便利なコマンドを紹介します。
初期設定画面 (OOBE) でシャットダウン
Shift+F10を押してコマンドプロンプトを起動
shutdown /s /t 0と入力してEnterを押すとシャットダウンします。
ネットワーク接続とマイクロソフトアカウントを回避
Shift+F10を押してコマンドプロンプトを起動
oobe\BypassNRO.cmdと入力してEnterを押すと再起動します。
初期設定を進めていくとインターネットに接続していませんが現れているのでそちらからローカルアカウントを作成して進めることができます。
まとめ
BIOS設定でCSM無効・セキュアブート有効・TPM2.0有効にします。BIOSの設定ができればインストールメディアの作成とインストール自体は難しくないのでうまくいくと思います。