Ubuntuのインストールメディアの作成とSSDへのインストール方法、その後のNVIDIAドライバの確認とMinicondaのインストールまでを紹介します。ここでは普段Windowsをメインで使用していて、Ubuntuのデスクトップ環境でも機械学習を行いたい方向けの内容になります。ちょっとしたLinux環境ならWSLで試すことともできます。
インストール方法について
WindowsとUbuntuを一つのディスクにインストールするデュアルブートは、トラブルの元(UbuntuのパーティションをフォーマットしようとしたりWindowsアップデートでGrubが壊れたり、問題が起きた時の復旧作業など)となるため行いません。Windowsとは別のディスクにインストールして、使いたいときだけブートする形を取ります。
インストールメディアの作成
Ubuntuをインストールするためのインストールメディア (USBメモリ) を作成します。
ISOイメージファイルのダウンロード
UbuntuのISOイメージファイルをダウンロードします。
ミラーサイトからubuntu-ja-22.04-desktop-amd64.isoをダウンロードしてください。
Rufusのダウンロード
ISOイメージファイルの書き込みにRufusを使います。
インストーラーまたはポータブルをダウンロードしてください。
ISOイメージファイルを書き込む
Rufusを起動してください。
デバイスに書き込むUSBメモリをセットして、選択からUbuntuのISOイメージファイルを開いてください。ほかの設定はそのままで大丈夫なのでスタートしてください。
ISOイメージモードで書き込むでOKをクリック
ISOイメージファイルとRufusのGrub(ブートローダー)のバージョンが違う場合は、ダウンロードを促されるのではいをクリック
状態のプログレスバーが最後まで進んだら完成です。
Ubuntuのインストール
インストール時は注意点があります。
インストールするSSD以外を外す
Windowsの入ったディスクは外してインストールするSSDのみにしてください。誤って違うところにインストールするミスやバグによりWindowsが起動できなくなった、なんてことも起こる可能性があります(その逆もしかり、すでに存在するESPにブートローダを書き込んでしまうことがあるのかも)
UbuntuはUSB接続のSSDでもインストールとブートができます。たまにしか利用しない方は、USBスティック型のSSDにインストールして使う時だけ刺すのもおすすめです。
セキュアブートをオフにする
UbuntuはUEFIセキュアブートに対応していますが、インストールメディア起動時に環境やバグで画面が表示されなかったりフリーズしたりすることがあるのでセキュアブートをオフにしてください。インストール後にセキュアブートを有効にする場合は後述してます。
インストールメディアを起動
作成したインストールUSBをブートしてください。
Try or Install UbuntuでEnter
Ubuntuをインストールをクリック
キーボードレイアウトを選択します。USキーボートの方はEnglish(us)を選択してください。
インストールのオプションを好みで選択してください。NVIDIAドライバはここでチェックを入れずに後からバージョンを選択してインストールすることもできます(後述)
ディスクを削除してUbuntuをインストール
地域を選択します。
名前とパスワードを入力してください。
インストールが完了したら今すぐ再起動します。
インストールUSBを外してEnter
以上でUbuntuのインストールは完了になります。
ソフトウェアの更新
インストール後はソフトウェアの更新をしときましょう。
今すぐインストールする
NVIDIAドライバのインストール
追加のドライバー (GUI)とubuntu-drivers tool (CLI)でのインストール方法を紹介します。これらは同じロジックのようです。またセキュアブートと互換性のある署名済みのドライバをインストールしようとするため推奨される方法になります。
追加のドライバー (GUI)
デフォルトではNouveauというオープンソースのドライバが使用されますが追加のドライバーからNVIDIAドライバを簡単にインストールすることができます。
ubuntu-drivers tool (CLI)
利用可能なドライバを確認
sudo ubuntu-drivers list
バージョンを指定してインストール(例 nvidia-driver-525)
sudo ubuntu-drivers install nvidia:525
再起動
sudo reboot
NVIDIAドライバ確認
インストールができたら端末で以下のコマンドを実行してください。NVIDIAドライバの詳細情報を確認できれば問題ないと思います。
nvidia-smi
モニタリング(デフォルトは2秒間隔で更新)
watch nvidia-smi
エラーなどでドライバが機能してない場合は、以下のコマンドでNVIDIAドライバのアンインストール後に再度ドライバをインストールすることで解決するかもしれません。
sudo apt purge nvidia-*
セキュアブートを有効にする場合
セキュアブートの状態を確認
sudo mokutil --sb-state
セキュアブートを有効にしてUbuntuを起動すると署名のないカーネルモジュールはロードされません。そこでMOK (Machine Owner Key) を利用して署名を行い、そのキーをファームウェアに登録することでサードパーティ製ドライバの使用を許可します。
「/var/lib/shim-signed/mok/」にキー (MOK.der) が存在する場合はそれらを使用できます。存在しない場合は次のコマンドでMOKを生成します。
sudo update-secureboot-policy --new-key
mokutilを使用してキーを登録する
sudo mokutil --import /var/lib/shim-signed/mok/MOK.der
input passwordにワンタイムパスワードを設定します。後の登録で一回だけ使うものになります。
システムを再起動してください。
何かキーを押す
Enroll MOK
Continue
Yes
さきほど設定したパスワードを入力(画面には何も表示されませんが入力は行われています)
Reboot
Minicondaのインストール
condaコマンドを使いたい方
Minicondaのインストーラをダウンロード
wget https://repo.anaconda.com/miniconda/Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh
Minicondaのインストーラを実行
bash Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh
ENTERで続行
ライセンスについて書かれています。下キーやスペースなどで進んでください。
ライセンス条項に同意
インストール場所の確認です。ENTERで続行
Condaを初期化(環境変数の設定やシェルの設定など)するようにシェルプロファイルを更新します。yesで続行
Condaがインストールされました。変更を有効にするためにシェルを再起動するか下のコマンドでシェルプロファイル (~/.bashrc) を再読み込みさせてください。シェルが起動する際にconda環境が自動的にアクティブになるようになりました。
source ~/.bashrc
condaの基本環境が起動時にアクティブ化されないようにしたい場合
conda config --set auto_activate_base false